肝硬変によって失われていく感情
終わった・・・・
確かに終わった・・・・・
何かが・・・・
一つ・・・
歌を忘れたカナリアの童謡がある。
昔聞いたことがあるような気がする。
彼は、
あっちゃんは、
亡くなる半年前から、急激に・・・
笑顔を、笑い声を忘れていったような気がする。
ユーモアたっぷりで、人を笑わせたり楽しませたりすることが大好きなあっちゃんだった。
おどけて見せては、自分からニヤッと笑い顔・・・
オヤジギャグ・・・全く面白くない。
だけど、いつも彼は笑ってた。
それなのに・・・
笑顔がだんだん消えていった。
・・・それも気づかなかった。
笑い声がだんだん少なくなった。
・・・それも気にしていなかった。
そう言えば、娘の結婚式でさえも・・
あっちゃんは、
笑顔が、笑うことが、出来なくなっていってたんだ。
肝臓が悪くなると筋肉が衰えるらしい。笑顔を作りたくても、口角が上がりにくくなるらしい。
話をするのもスローだし、ましてや、大声をあげて、大口開いて笑うなんてよほど面白いことでもない限りできないらしい。
笑顔が・・・笑い声が、奪われていってたんだ・・・・。
肝硬変という病気は・・・、
人間が一番味わいたいであろう「快楽」の感情を・・・・
「微笑む」という人と人との繋がりを深める表情を・・・・
無残にも奪い取ってしまったんだ。
そうだったんだ。
思い当たることがたくさんある。
ごめんね。
全く理解していなかった。
あっちゃんは、私が「絶望」を感じる前に、
妻に対して・・・・・
自分の病気に対して・・・
「絶望」を感じていたに違いない。
(再度投稿…今でも尚切り離せない感情)
