絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

幸せの自信

 白い木蓮の花が満開だった・・・のも…つかの間・・・


 ひとひら…ひとひら…散ってゆき・・

 残り少なくなった…ユニット前にある大きな木蓮の木。

 今年は暖かくなるのが早かったからだろうか。見て楽しむ時間が短かったような気がする。


 結婚当時…

 私は主人が高3の時に義父母が建てた家(築7,8年の家)で暮らした。二人で…。他の家族は車で五分ほど離れた家に住んでいた。

 今思えば…

 幸せ「満開」だった。

 

 家賃はタダ!

 光熱費も…

 電話代も新聞代も…

 NHKの受信料も…

 区費も…

 固定資産税も…

 まだまだ⁉︎ 

 二人が家を建てるまでの4年間はタダで生活できた。


 二人には広すぎる家で…

 のびのび暮らした。

 庭も広い。

 夏には大きなビニールのプールを水いっぱいにして遊んだ。(水道代もタダだし!)


 義父が定年を迎え、その家で暮らすことになり私達三人は、庭の一角に家を建て暮らすことにした。


 その時も・・・土地代はタダ!


 私は新婚当初から恵まれていた。


 娘が成長し大学入学と共に、また二人だけの生活が始まった。生活時間のすれ違いはあったもののそれなりに幸せだった。 

 しかしそのうち、

 ひとひら、ひとひら花びらが落ちるように…何かが少しずつ少しずつ変わり始めた。

 いつの頃からだろう。

 主人の容姿が変わっていくのが分かるようになった。

 私は見て見ぬふりをした。

  

 落ちてゆく花びらをただ…見ているだけだった訳だ。


 そうすると…

 幸せ満開の心に影が差し始めるようになってくる。

 何かが崩れだすと早いもので、風が吹くたびに花びらが落ちるように…


 私の「幸せの自信」が揺らぎ始めた。 


 白い大きな花びらは地面に落ちたが最後…茶色く様変わりし、咲き誇っていた姿は見る影もない。

 主人は、入退院を何度か繰り返した。そして…6年前の年末吐血をし緊急入院することになる。

 かろうじて踏ん張り続け咲いていた花も力を失う時が来た訳だ。


 今年は、早くに散ってしまった木蓮…

 見て楽しむ時が短かった。

 それが、主人の生き様と共に、そばで過ごした私の心と重なって…もの悲しく思える。

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