鬼嫁の淋し…冷たい夏
「お盆は家に帰る?
緊急事態宣言出てるし、コロナ禍だから、おばあちゃん嫌がるだろうね。でも、もう一年家に帰ってないよ。お母さんどうする?」…って娘からの電話。
「1ヵ月は無理でも、2ヵ月に一度は帰ります。」…って言って、最低限の荷物…車に積んで家を出た。
そう…あの時も・・・
暑かったなぁ。
7月の終わりだった。
義父母は…
家を去る私に、
もう…何も期待していなかったのだろう・・・
引き止める言葉も、辛そうな寂しげな顔をすることもなかった。
ただ優しく…
「体には気をつけて…ね。また帰っておいで・・・」って…。
あれから…4年が過ぎた。
転出届けも転入届けも出していない私は…
幽霊…
透明人間…
もう…存在しない人間みたい…。
「家に帰る?」・・・
私の家?
誰に会いに?
もちろん!主人の両親に…。
義父母にとって私は、
「嫁にも娘にも」成りきれない、中途半端な存在として…終わってしまった。
申し訳ないと思う。
だからなのか…
主人が亡くなってから…
私へは何も言ってこなくなった。
大雨で避難勧告が出てるが、どうしたらいいか…って電話も、
2年前、目の手術の為の義父の入院を知ったのも…娘からだった。
去年は、義母の全身の痛みが何処の病院へ行っても原因不明であると言われる為、どうしようかと電話を掛けてきたのは義母の妹からだった。
私にはメールで郵便物を送るからという事務的な電話…。
2ヵ月に一度私宛の郵便物が届く。
娘には、1週間に2回は電話があるらしい。果物、野菜、ひ孫の好きそうなお菓子に服が頻繁に送られて来ると話す。
これが血の繋がりの違いなのだろうか。
私には郵便物…だけ。
でも…それでいい。
元気にしていてくれれば…それでいいよ。
一人で気ままに過ごせるから。
お盆は、帰らないよ。

