戻れるものなら…
こっちに来て…2週間が過ぎようとしていた。
こっちに来て…
食事をする時、一人ではなくなった。お風呂はなんと…順番待ちになった。トイレに行くのは、少し遠慮がち…これも集団生活ならではのことだろう。(と、言っても大人3人、新生児1人だけれど…)
いつも行くスーパーまでの道順も、スムーズに進める車線変更の仕方も覚えた。知らず間に溶け込んでいる私がいるのだろう。
炊事・洗濯・育児の手伝い・たまに掃除に買い物・通院の送迎…
今までと全く違う生活リズムだが、ある意味新鮮で心地よくもある。
ただ…料理が苦手な私にとって、毎晩のメニュー作りには苦労する。しかし、美味しそうに食べてくれる人がいるということが、こんなに励みになるとは…しばらく忘れていた感覚だ。
「今日の晩御飯は何にしよう…」と毎日考えている私も…いる。
でも…!
泣いている子を胸に抱き、乳を与えている娘を横で見ている時…
小さな小さな手足をばたつかせて泣いている子を見ている時…
いじらしくで、愛くるしくて、微笑ましくも感じるが…
何故か…
胸が締め付けられるほど苦しくなる瞬間がある。
娘を介して私の姿を…
小さい子と娘が重なり合って…
過去に引きずり込まれるような感覚に陥る。辺りを見回すと…あっちゃんが現れそうな・・・。
でも、私の目に止まったのは、あっちゃんの遺影…
今…この時を一緒に味わえないことへの悔しさから涙が溢れる。
「何故…あなたはいないのか…」
知らない地で…
ご飯を食べる時も…
娘の側にいても…
何故…あなたはいないのか…
それが悔しくでたまらない。
悔しくて…悔しくて…
涙が出てしまう…
