恋しいゆうれい
自宅から離れて暮らしていると…
時々、誰もいない…真っ暗で…明かりのつくことがない…そんな我が家でも恋しくなることがある。
(とは言っても、現在裁判中なので、今でも「我が家」と呼べるかどうかは分からないが…)
そこには、あっちゃんが待っていそうな…気がする。
二人で過ごした、跡がある。形跡が…残っている。もしかしたら、私が留守をすることをいい事に、一人でお酒を嬉しそうに飲んでいるかもしれない… 我が家で・・
相続放棄問題で、自宅を手放すことになった時、
「どうせ、一人になるのだから、家なんか無くてもいい。」と思った。そして、少し前まで、「私は、新しい自分の居場所を見つける。」・・・なんて、意気込んでいた。
「家」への未練なんて本当になかったのに。
あの家には「一人では住めない」とまで思っていた。
でも… ほんの少し…
離れてみると…
あの家が・・あっちゃんで…
あっちゃんのいる場所に帰りたいような気持ちになっている。
先月、家を出る時、遺影を持って出た。(四分の一の大きさにした遺影)しかし、この場所には、全く不釣り合いだった。
ここには、新しい家族の形がある。
誕生を心から喜ぶ若い夫婦がいる。
それでも、あっちゃんは賑やかな場所が好きだったから、幸せに満ちたこの場所の片隅に、そっと置いた。誰もが見渡せる場所に…。
人がいて…話し声が沢山聞こえても…私は、心から笑えない。
これからも・・私はきっと死ぬまで、心の全てで楽しむことはないだろう。
真っ暗な家であっちゃんが待っていてくれたら… いいのに…
「おかえりぃ。」
その一言…
声が聞きたい。
