絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

家族写真

ゆりちゃんのお宮参りと、なっちゃんの七五三の写真(前撮り)を撮りにスタジオアリスに娘家族と共に来た。


「今日は、プリンセスになる!」と、なっちゃんは朝から大はしゃぎ。私もその可愛い姿が見られることが楽しみでもあった。


和装…に・・

洋装…何でもあり・・・。


思い出してしまった…。


娘のお宮参りと七五三の写真を撮り行った時のことを…。


カメラの前に立つ娘を誇らしげに…見守り、優しい笑みを浮かべていたであろう主人の顔を…思い出してみた。


家族写真も撮った。

娘を中心に…

あっちゃんと私と義父母と・・・


そこには、

色とりどりのドレスに…着物を身につけ、カメラの前で可愛いポーズをとる孫や子どもを微笑んで見守っている家族が数組・・いた。


その中には、家族写真を撮っている家族もいた。ママの両親にパパの両親が嬉しそうにカメラを見詰めている。

なんと…羨ましい!


皆んな…勢ぞろい!!


隣を見ると…多分・・・

お母様・・・が1人足りない!

パパのお母様がいないようだ…。

病気で来られないのか…

もしかしたら…

理由は…分からない・・・。


私は、自然とパパ、ママや子どもよりも、その横に寄り添う親達の姿を目で追っていた。


そんなところに目がいっていた…

あっちゃんがいなくなってからだ…


そうそう…

母が亡くなった時、母と同年代の人に目がいった…なぁ。

ついつい…

恋しくて…

寂しくて…

当たり前がなくなって…

そんな…思いで見ていたら・・・


娘が、

「うちはうち…」と言わんとばかりに…

「お母さんも写真に入ろっ!」って誘って来た。


でも…断った…。

だって…やっぱり・・・

家族写真なら、私の横に立つあっちゃんがいないから…

娘婿のお母様(去年の4月に突然58歳で亡くなってしまいました)も・・


いないから…

貴女の家族…

4人家族…

勢ぞろいで撮りなさい!

安否確認

なんで涙が…こんなに…

こんなにも出るんだろう?


遅出勤務だった私は、20時30分に仕事が終わった。一緒の時間に終わった職員と駐車場まで話しながら歩いた。車の前まで来たものの…お決まりの立ち話…。10分が経ち…20分・・でも終わらない。30分・・・が経とうとしている頃…やっと終わった。


帰宅途中、信号で止まった車の中から娘家族の安否確認のメール!


これは、毎日のことだ。娘は心配症の私のことを気にして…早く返事を返すように心掛けているようだ。写メ付きで!


しかし…


21時「皆んな元気?」と…

メールを送る。


返ってこない…


21時30分 送信

22時にも…


22時20分 送信

既読もつかない… 返事なし!

ついつい…妄想が広がる。悪い方へ悪い方へ…


落ち着かない…

45万事件もあったし…


23時35分 アパートを飛び出す。


車に乗り娘の家に着くと、ほのかに間接照明だけが付いているのが遠目からでも分かった。

「中にいる」


合鍵を持っているが、突然入る事は気が引けたので、インターホンを鳴らしてみる。

2回鳴らしたが応答なし!


仕方がない!


思い切って…ドキドキしながら鍵を開けようとしたその時…!

「お母さん!僕…今風呂から上がったばっかりで…すみません」と、少し開いた玄関ドアの隙間から娘婿の声!


「皆んな元気?

皆んな生きてる?」


「はい!生きています。そして…皆んな寝ています!元気です!」


「わかった!ごめんね。」とドア越しに話す。

そう…言って・・・

車に乗り込みアパートに帰ろうと、エンジンをかけると…

何故か…


何故か…


涙が止まらない!

声を上げ!

何故か「あっちゃん〜!」と叫びながら泣いた。


生きてた!

当たり前だけど…生きていた!


それが…すごく嬉しかった!

残りの生活設計

「今年の夏は◯◯に行こう! 」


「来年は◯◯を買え変えよう」


旅行の計画や欲しい物をリストアップ!

「いつ頃・どちらが買うか」を(私達夫婦は財布が別々でしたから)話し合って決めた。でも男気満々のあっちゃんは、

突然…「買ってきたぞ!」って事後報告をする事も多々あった。

3Dテレビ出始めの頃、60インチもの大型テレビが届いた時には驚いたものだ。

3D用の眼鏡が3つ付いていた。しかし、3Dで放送している番組もなく、その眼鏡で観たのは「アバター」ぐらいだった。


そんな人でした。

しかし…不思議なもので…

あっちゃんの死後…

行きたい所も…

欲しい物も…

したい事も…

全部なくなってしまった…。

そんな私が、携帯のメモの中に、「死ぬまでにすること 〜10〜」と題して、あっちゃんが他界した次の年に記していたものがある。内容を見直し修正も必要だが…

これを見ると、私はその時…

死別と対峙し、自分の人生の残りの全てを、思い出の中で生きよう」と決意していたことが見てとれる。


死ぬまでにすること 〜10〜

①・歌を作る

②・本を作る

③・娘夫婦とハワイに行く

④・親友と旅行する

⑤・串屋でお酒を飲む

⑥・「死別」と題して講演をする。

⑦・ダイエット成功

⑧・三姉妹で海外、北海道旅行

⑨・納骨堂を購入(あっちゃんの

半分の遺骨)

⑩・マンションを買う。

①は、一曲できている。

⑧は、計画中

⑨は、今年秋に解決する。

これでいいのか?


自分のすべきことを…

後悔しないで逝く為に…


これで…本当にいいのか?