絶望の底から青い空を見て・・・

2014年12月31日
私の目を見て医師は、言った。
「24時間の命です。」
2015年1月20日最愛の夫は、死んでしまった。
死・借金・裏切り・崩壊・人間不信…
今、独り…目に見えない何かと闘いながら生きていく…。
逢いに逝けるその日まで…。

死別と生きる⑭ 生きられた理由

 新しい場所に行くことで、

  新しい仕事に就くことで、

    新しい人と出会うことで…


           私は生きられた。


 哀しみや悔しさやで…

 寂しさで、いっぱいいっぱいだった私は、

 夕方、点々とつく明かりに、

 賑やかな声がするスーパーの中で、

 見上げれば輝いて見える星空に、涙が流れたものだった。


 泣きたい時には泣いて、

 叫びたい時には叫んで、

 

      話したい時だけ話しをした。


 家の中でも

 寝たい時には好きなだけ寝て、

 引きこもりたければ引きこもって、

 部屋から一歩も出ず、


     心の動くまま生活した。


 そうこうしていると…

       8年が過ぎていった。



 私の何が変わったかは分からない。全く変わってないのかもしれない。

 ただ、私の周りが、

 「知らない」っていうのは「楽」だった。


 ありのままの私で過ごせた。


 いや!


 ありのままというよりも、

 「こうありたい」と思うままの、「装った自分」で過ごすことができたのがよかったのかもしれない。


 私は、

 「愛する人と死別した人」として…

       過ごすことはしなかった。


       話すこともしなかった。

後悔!後悔!!大後悔!!  えっ!?今?

新しい年を迎えて…

      5日が過ぎた。


 今日は父の誕生日。

 生きていたら何歳になるのだろう。3日後の8日は母の誕生日だ。

 母も…(生きていれば・・)

           何歳なんだろう。


 新年早々…二人の誕生日はあったのだ! 


 結婚してから・・・

 年が明けると、義香家でひと通りのお正月の儀式的なもの(新年の挨拶や御節やお雑煮等の会食会、お年玉の交換等)を済ませると、そそくさと実家に帰った。

 私にとっては、義香家のお正月よりも「実家」でのお正月の方が何倍も何十倍も嬉しくて楽しみで…お雑煮食べていても「心…ここに在らず・・・」で・・・早く帰りたかった。

 

 車なら4時間半。新幹線を使っても2時間半はかかるところに実家はあった!(隣の県)


 毎年その日の夕方か、2日の午前中に3人(主人、娘と私)で実家に向かった。


 父が退職するまでは(父は船乗り。一旦乗船すると2、3年は家に帰って来なかった)母と祖母と近くに住んでいる姉家族が私達の帰省を待っていてくれた。何とも賑やかで、楽しく、美味しいお正月・・

 「一年の始まり」だった。

 本当に「幸せな時」だった。


 5日…亡き父の誕生日。




 今月24日は義母の誕生日。

 私は今、楽天でプレゼントを選んでいた。

 

 ふと、手を止め…視線を仰いだ。

 


 父や母の「誕生日」があったのだ。

 このお正月の最中に…

 あの「賑やかなお正月帰省中に!」


 だけど、心に残るようなプレゼントをした覚えがない。何も…

 父や母へ「誕生日プレゼント」した記憶がない!のだ・・・(涙) 


 そればかりか、忙しい思いをさせてしまい、上げ膳据え膳でやりたい放題。寝放題!!


 父や母へは…

  何もしてあげてないのだ!!!

 

 それなのに!!

 毎年毎年…

 義父母への誕生日プレゼントを考え送っている私…


 なんのこっちや!!


 「やーめた!やめ〜た!」

       もぅ〜ええーやろぅ。

 

 天国で主人と一緒にいる…

 お父さーん!

      誕生日おめでとう!!

いつもと同じ時…

年末30.31…

 そして新年1.2…と勤務の為帰りの新幹線に乗った。


 混雑を予測し指定席を購入したものの、今年の夏のお盆の時期とは全く違ってそれほど混んではいなかった。 

 皆んな!年末年始は、海外…と言うことか!

 それとも長〜い旅行にでも行っているのか…なんて…

 まあ!のぞみが全席指定等と、JR側のねらいもあって、分散したのかもしれない。

 それにしても、私は…

 あの日以来…

 人間が小さくなったようで…

 卑屈になったようで…

 口を開けば「皮肉」しか出なく…

 

 これも、

 生きていく上で必要であったことに違いないが…

 これくらいの力というか、

 木っ端微塵にどんなに道理の通ったことであっても、切り裂く感情を持っていないと、

  押しつぶされてしまうから…。


 これくらいが丁度いい。

 嫌われ者だが丁度いい。

 

 それにしても…

 世の中は年末だというのに…

 以前ほどの趣も…

  雰囲気も感じられない。


 あの…

 何とも言えない…

 「特別感」…が、全くなくなっている。


 そんな…

 平日と変わらない年末が…


        丁度いい・・・。