新しい場所に行くことで、
新しい仕事に就くことで、
新しい人と出会うことで…
私は生きられた。
哀しみや悔しさやで…
寂しさで、いっぱいいっぱいだった私は、
夕方、点々とつく明かりに、
賑やかな声がするスーパーの中で、
見上げれば輝いて見える星空に、涙が流れたものだった。
泣きたい時には泣いて、
叫びたい時には叫んで、
話したい時だけ話しをした。
家の中でも
寝たい時には好きなだけ寝て、
引きこもりたければ引きこもって、
部屋から一歩も出ず、
心の動くまま生活した。
そうこうしていると…
8年が過ぎていった。
私の何が変わったかは分からない。全く変わってないのかもしれない。
ただ、私の周りが、
「知らない」っていうのは「楽」だった。
ありのままの私で過ごせた。
いや!
ありのままというよりも、
「こうありたい」と思うままの、「装った自分」で過ごすことができたのがよかったのかもしれない。
私は、
「愛する人と死別した人」として…
過ごすことはしなかった。
話すこともしなかった。